PR CAMP 2020(以下:PRキャンプ)では、参加学生のメディアリテラシーを高めることを目的に、マテリアルのPRトレーナーである田代順が定期的に開催している研修です。時流に合わせてさまざまなカリキュラムを用意し、情報流通構造の仕組みからメディアリレーションの実践編まで解説しています。講座のみならず、チームごとのワークショップやプレゼンテーション課題を行うことで、メディアリテラシーと同時に実践的なPRスキルを身につけることが出来ます。さらに、今回のPRキャンプでは、マテリアルのSTG局や営業局など、各セクションから代表社員を招き、マテリアルが手掛けたPR事例を紹介しました。
マテリアルでは、「学べるマテリアル」を目指してセミナーおよび社外研修を定期的に開催し、PRトレーナー田代を中心に、多くのPRスキルを社内外に向けて発信しています。パブリックリレーションズの基礎のみならず、マーケティングコミュニケーション・ブランディングなど、自社のPR事例を交えながら幅広いエグゼキューションを紹介することで、PR業界/PR会社に興味のある学生や社会人の皆様にとって、少しでも多くの学びと発見を提供できればと考えています。
今回のマテリアルマガジンでは、夏〜秋にかけて開催した「PRキャンプ2020」に参加してくれた学生の皆様にインタビューを実施。PRキャンプで得た新たな発見や、PR業界に対する印象の変化など、それぞれの思いを聞かせてもらいました。
<主催者プロフィール>
マテリアル・PRトレーナー・田代順
これまで、マヴィック/コンフォマーブル/スント/サロモンなど海外スポーツブランドの商品広報実務のほか、スペインワイン/スペインレストランの広報実務を担当。健康や食生活分野を専門とする。2018年から株式会社マテリアルでPRアドバイザーとして活躍する他、「PR大学」「PR実践講座」等の講師を担当し、PR業界の人材教育にも注力している。
<取材に協力いただいた学生のみなさん>
学習院女子大学3年 R.Wさん
東洋大学3年 Y.Iさん
江戸川大学2年 M.Nさん
東洋英和女学院大学3年 K.Iさん
東洋英和女学院大学3年 M.Oさん
マスコミやPRに興味をもったきっかけを教えてください。
K.Iさん:私が広告/PR業界に興味を持った理由は2つあります。1つめは、大学の放送研究会でラジオパーソナリティとして活動していることが影響しています。ラジオの台本を書きながら、このストーリーやこの言葉で“相手はどう感じるのか?”など、受け手の立場になって考える機会が何度かあり、同じような視点で物事を見るPRという仕事に興味を持ちました。2つめは、大学の講義で、「ソーシャルメディアが変えるマーケティング」という分野を学んだことです。企業のマーケティング活動は日々目まぐるしく変化していて、SNS活用やデジタル化も非常に注目されていることを知りました。SNSを活用したマーケティング活動の価値の高さを学んだことで、PRが持つ力をより知ってみたいと思い、PRキャンプに参加しました。
M.Oさん:小さい頃からテレビや映画を見て育っていたので、大学に入学する前から社会学やマスコミ/メディアについて学びたいと思っていました。大学3年生になり、就活を目の前にして、まずは業界視野を広げることを重要視しています。そこから、「広告業界だけではなくPR業界についても知りたい」「広告とPRの違いについてもきちんと学びたい」と思い、このPRキャンプにも参加しました。
PRキャンプに参加してみた感想を教えてください。
Y.Iさん:私はもともとPR会社の仕事というものが分からなかったのですが、座学以外にもプレゼンテーション課題やPR事例の紹介等があり、実際のPR会社の仕事が見えたことが非常に嬉しかったです。また、PR事例の裏側をじっくり学んだことで、普段の日常生活の中でも、プロモーションの裏側を考えるようになりました。
K.Iさん:このPRキャンプでは特に、PR事例の裏側を学べたことが大きな収穫でした。一方的なワンメッセージではなく、ターゲット(相手)の視点で商品やサービスを分析し、そこからさまざまな手法を選んでいくというPRの仕事や、流行や時流に敏感になることの重要性を学ぶことができたと思います。
M.Oさん:特にグループワークで実施したプレゼンテーション課題は新しい経験になりました。どんな人をターゲットにして、どのような手法でアプローチするのか等、実際のPRの仕事に近い視点を学べる課題だったので、実践的でした。
1番印象に残っている講座は何でしたか?
K.Iさん:「メディア施策の実践編」というカリキュラムで学んだ、「文具商店台湾文具の話題喚起施策ワーク」が最も印象に残っています。チームの提案内容は、文具に興味のないターゲットに向けたTwitter/Instagram等のSNS運用方法と、雑誌やテレビのメディア拡散施策などで、具体的にはSNSでの拡散を目的としたハッシュタグ「#インク沼」を考案しました。“多種類のインクをより多くの人に楽しんでもらうためには、SNS上でどう拡散すればいいのか?”という視点で考えましたが、“使い終わったインク5本を新しいインク1本と交換する”というSDGs的な視点にも関連付けた提案にしています。他チームでも「#病的に好き」というキャッチコピーを考案したチームがあり、このコピーだけでもSNSで独り歩きすることができるので、斬新で面白いアイデアだなと感じました。
M.Oさん:私は広報/PRスキルを鍛える「ゴールイメージメソッド」が一番印象に残っています。ニュースリリースを書いているPRパーソンが、どのような視点や思考回路でリリースを書いているのかを明確に学ぶことができました。PR会社の仕事のイメージが湧きやすく、PR業界の基礎を理解できたと感じています。それと同時に、「“マズローの欲求5段階”において、PRパーソンは人々のどの欲求にアプローチするべきなのか」という視点が重要であることを知り、大学での学びが活かされたと思えました。人々の欲求5段階のどの部分にアプローチするのかは、時流や情報構造の変化に合わせる必要があるという発見になりました。
PRという仕事や業界に対しての印象の変化はありましたか?
R.Wさん:PRという仕事が、こんなにも自分の日常の近くにあるとは思っていませんでしたが、多くの人と繋がることのできる魅力的な仕事だと感じました。
M.Nさん:講義やマテリアル社員の方のお話を伺う中で、“PRはとても幅広い仕事”という印象が強くなりました。大学の講義で勉強していた時よりも、手法やターゲットも非常に多岐に渡っていて驚きました。自分が持っているSNSやマーケティングにおけるコミュニケーション能力をよりブラッシュアップしていかなければ、PR業界についていけないと感じました。
M.Oさん:そもそもPRを何も知らないところから始まったので、PRは商品をプロモーションするものだと思っていました。しかしこのキャンプを通じて、PRでは「そもそもターゲットは誰なのか?」「そのターゲットが抱えているインサイトは何か?」というところから考え、それに適した手法でターゲットにアプローチしていくことが重要だと知りました。まさに、相手(ターゲット)との関係性を上手に構築していく仕事であるということが新しい発見でした。
K.Iさん:今まで、“PRは商品を売り出す手助けをする仕事”だと思っていましたが、このPRキャンプを通じて、売上にコミットするだけではなく、生活者インサイトの分析/発見や、ステークホルダーとの関係性の構築など、“社会を良くするために、世の中に埋もれている社会課題を根底から変えている”仕事という印象に変わりました。特に、PR事例として紹介された「#この髪どうしてダメですか」では、私自身が学校に地毛証明書を提出していた経験があった分、生活者が窮屈に感じていた課題と向き合いながら社会を良くしているという印象をより強く感じました。
PRキャンプを通じて、これからの学生生活で挑戦したいことを教えてください。
K.Iさん:これまで本やネットニュースを読むこともなく、受け身で情報に触れていましたが、PRキャンプの2週間を通じて、本やネットニュースを読む習慣ができました。これからは、受け身で流されるのではなく、自分の意思を持ってさまざまな知識や情報を選び、掴んでいかなければならないと感じています。
R.Wさん:広告/PRについてはもちろん、PRという仕事が企業のマーケティングや経営にも繋がる仕事であることを学んだので、大学の講義では、経営やマーケティングについても積極的に勉強していきたいと思います。
M.Oさん:自分たちにとって身近なPR事例を通じて、大学で学んだメディア論や行動経済学が、実際の社会でどう活かされているのかを学ぶことができました。これからの日常生活でも、自分の力で情報の裏側やプロモーション事例の裏側にあるコミュニケーション戦略を見抜けるように勉強していきたいです。
PRキャンプを通じて率直な感想を教えてください。
田代:今年のPRキャンプは、リモートでの開催となりましたが、2週間という期間の中で十分な成果が上げられたと感じています。今回の参加学生の皆さんは、志も高く、PR業界への関心を強く持たれていたことも印象的です。また、皆さんはいわゆる“Z世代”なので、情報量の多い大海原で育ってきており、生まれながらにして情報に対する“嗅覚”が鍛えられ、メディアリテラシーが非常に高いと感じました。
PRキャンプのカリキュラムとしては、現場で働くPRパーソンからも関心の高い事例をピックすることを心掛けました。25年前に日本に初上陸したSTARBUCKSコーヒーのマーケティングPR、コスメベンチャー企業のデジタルコンテンツ、デジタル情報流通構造の仕組み、SNSと相性の良い広告、ファンマーケティング、雑誌編集の世界観、マズローの欲求5段階まで、さまざまな角度からPRについて学ぶことのできるカリキュラムを用意して臨みました。
今後さらに挑戦したことはありますか?
田代:弊社は、「学べるマテリアル」として社内外に多くのPRスキルを公開しています。現在、インターン生に向けた「PRジュニアカレッジ」の定期開催を計画しており、今後もさらに、その時々の時流に合わせたPRスキルと知見を広めていきたいと思っています。また、今年の冬には「冬季PRキャンプ2020」の開催も予定しているので、PR業界に興味のある学生や、PR業界をもっと知りたい学生など、より多くの方に参加してもらいたいと思います。
参加してくれた学生の皆様にエールをお願いします。
田代:新しい社会において、“新しいメディア”を創るのは君たちです!デジタルを駆使して、既存概念に捉われないPRを創る担い手になってください!
マテリアルでは、これからも「学べるマテリアル」を目指し、時流に合ったカリキュラムを用意しながら、さまざまなPRスキル・幅広いエグゼキューションを発信・紹介して参ります。PRに少しでも興味のある学生/社会人の皆様のご参加を心よりお待ちしております。
本マガジンに関しての詳細は、「press@materialpr.jp」までお問い合わせください。