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2025.December | MAKE NEW

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「思わず誰かに話したくなる」熱狂を。マテリアル発のクリエイティブユニット「SHABEL(しゃべる)」が仕掛ける、“Talkactive”なブランド体験

マテリアルマガジンをご覧の皆さま、こんにちは。マテリアルグループ広報です。
メンバーの「やりたい」という熱意を応援し、新たな挑戦を推奨するマテリアルグループ。
今回は、そのカルチャーの中から生まれたクリエイティブユニット「SHABEL(しゃべる)」にスポットを当てます。
立ち上げたのは、これまで数々の話題のプロジェクトを手掛けてきた山崎と常谷。「思わず誰かに話したくなる」企画を生み出し続ける二人は、なぜマテリアルという組織の中で新たなチームを作る道を選んだのか。
今回のマテリアルマガジンでは、従来PRの課題から生まれた新しいアプローチ「Talkactive PR」の真髄と、社内起業のリアルなプロセスについて、たっぷりと語っていただきました。これから新しいことに挑戦したいと考えている方にとっても、ヒントが詰まった内容となっています。ぜひ、ご一読ください!


■プロフィール
プランナー/常谷 友梨絵(写真 右)
根っからのテレビっ子でお笑い番組ばかりを見ていたことから、メディアに興味を持ち、PRに出会う。2019年マテリアル入社後、基礎的なPR活動の支援からブランド戦略に基づく企画まで幅広く担当。2020年博報堂ケトル出向、統合キャンペーンの設計を学ぶ。2021年4月マテリアルに帰任し、基本的なPRにとらわれない自由な発想での企画を得意としている。

プロデューサー/山崎 未早希(写真 左)
マーケティングエージェンシーでの7年を経て、ブランドアクションまで踏み込んだ支援を目指し2021年マテリアル加入。ビジネスにコミットしたプロジェクト設計と伴走力を強みにパーセプションやブランドイメージ醸成に寄与してきた。PRの力で「あたりまえの人権が、あたりまえにある世の中」を作ることがモットー。

1.従来PRの課題と「Talkactive PR」の価値 - なぜ今、新しいアプローチが必要なのか

―まず、お二人が感じていた従来のPRに対する課題感について教えてください。

常谷:私たちが手掛けていた仕事の中で、「露出はあるけれど、一過性で終わってしまっていないか?」「もっと根源的なブランディングや、人の心を動かす企画に注力したい」という想いが強くなっていました。

従来のPRが「メディア露出」をゴールにしがちなのに対し、私たちはより「ブランディング」に近い領域で、ブランドへの好意や共感を醸成し、生活者の間で自発的な会話が生まれる状態を作ることの重要性を感じていました。

 

―その課題感から生まれた「Talkactive PR」とは、具体的にどのようなアプローチなのでしょうか?

山崎:「生活者が能動的に語りたくなる状態を作ること」です。

従来のPRが「情報を届ける(露出させる)」ことに重きを置いていたのに対し、Talkactive PRは「生活者の会話の中に入り込む」ことを重視します。わかりやすく言うと何を達成したいか、にもよりますが、極端な話メディア露出がゼロでも、ソーシャルメディアやリアルの場で熱狂的な会話が生まれれば成功。その熱量が結果としてブランドを強くすると信じています。

人は良い企画やコンテンツに出会ったとき、家族に「これ知ってる?」と教えたり、友人に「今度行こうよ」と誘ったりしますよね。その衝動こそが、心が動いた証拠です。

 

常谷:手法としても、メディア露出だけにこだわりません。過去には、あえてメディアアプローチへかける時間を減らし、生活者の発話だけで「180分待ち」の行列を作った企画もありました。ターゲットのインサイトを深く掘り下げ、生活者の会話の中に自然に入り込んでいく企画を作ることが、私たちの提供価値です。

 

山崎:従来のPRとの違いをもう少し具体的に説明すると、今までのPRは「商品の提供価値」と「社会文脈」の重なる部分をコアアイデアにすることが多かったんです。でも私たちは、そこにさらに「n=1のインサイト」と「情報環境を踏まえたコミュニケーション手法」を重ねて考えます。

例えば、私たちがよくブレストする時は「イタコ」をするんです。イタコとは具体的な一人の人物を決めて、「この人だったら何て言う?」「どう反応する?」って徹底的に考え抜く。架空のペルソナではなく、本当に実在する人の感情や行動を想像することで、リアルな発話が生まれる企画を作れるんです。

2.SHABELの誕生 - 解決策としてのクリエイティブユニット

―そうした想いから「SHABEL(しゃべる)」というユニットが生まれたのですね。改めて、SHABELがどのようなチームなのか教えてください。

山崎:SHABELは、一言でいうと「思わず誰かに話したくなる企画」を生み出すチームです。

私たちが目指しているのは、心が動かされるような体験や空気感をつくることです。良い企画を見た時に「誰かに喋りたくなる」。そういう熱量のあるコミュニケーションをもっとマテリアルとして生み出していきたい、という想いが原点にあります。

 

―お互いを一言で紹介するとしたらどんな人ですか?

山崎:常谷は、一見ポップで陽気に見えるのですが、実は武骨で一本芯が通っていて、非常に「愛情深い人」です。まるで「アイヌ犬」のような存在ですね(笑)。

アイヌ犬って、見た目は親しみやすくて可愛らしいんですが、実は非常に賢くて気高くて、一度信頼した相手には深い愛情を注ぐんです。常谷もまさにそれで、一度生み出した企画や、一度信頼した人に対して、ブレない愛を持ち続けています。例えば、あるプロジェクトを4〜5年にわたって担当し続けているのですが、PRの仕事でこれほど長く伴走させていただけるケースはなかなか珍しいと思います。それでも彼女は、ずっと同じ熱量で向き合い続けてくれています。私は「できた!次!」とどんどん先に頭が行ってしまうタイプなのですが、彼女は深い愛情と知性で物事を守り育ててくれる。そのバランスにいつも助けられています。

 

常谷:山崎さんは、私にとって「祭り」のような人です(笑)。

文字通り、明るくて声も大きくて、周りを巻き込む賑やかさがあるのですが、それだけではありません。「祭り」には歴史や背景があり、多くの人の想いが重なって続いていくものですよね。彼女も一見華やかに見えますが、その裏には深い思考や、「こうしたい」という強い意志、しっかりとした根拠(ロジック)があります。ただ楽しいだけではなく、知性と情熱を兼ね備えたプロデューサーだと思っています。

3.実践プロセス - 提案から立ち上げまでのリアルな道のり

―「やるなら自分たちで」と決めた背景には何があったのですか?

常谷:実は、もともと現在のメンバーに加えてもう一人を含めた3人で、事業部の立ち上げができないか、と話していたんです。

そんな時、ちょうど会社として「新しいチャレンジや社内起業の提案を受け付ける」という動きがありました。そこで、「一度提案してみよう」ということになったんです。

 

山崎:自分たちでチャレンジしてみたい、という強い思いがありながらも、マテリアルという信頼できる組織の中で、本当にやりたいことに集中できる環境を選びました。リソースやネットワークを活用しながら、新しいチャレンジができるのは大きなメリットだと感じています。

 

―社内提案は具体的にどのような形で行いましたか?

山崎:まずは10ページほどの資料を作成しました。「SHABELというチームをやりたいです」「社内起業したいです」という意志をまとめたものです。それをまずはキーマンとなる人物に提出し、その後、役員会議で2回ほどプレゼンを行いました。

 

―誰に、どのような順番で相談したのでしょうか?

山崎:まずは私たちの想いに共感し、実行力を持って動いてくれそうな「キーマン」を見つけて相談することから始めました。今回の場合は、当時プロジェクトを主導していた関航(マテリアル取締役)でした。いきなり全体に投げるのではなく、まずは理解者を作り、そこから役員会へとステップを踏んでいきました。

 

―提案時に懸念やリスクを指摘された際、どのように向き合いましたか?

常谷:かなり具体的に詰められましたね(笑)。

「既存の事業と何が違うのか?」「誰をターゲットにするのか?」「どうやって利益を生み出すのか?」といった質問が多く出ました。

 

山崎:マテリアルが組織として急拡大し、再現性のある「型化」を進めている時期だったからこそ、逆に私たちは「質」にこだわり抜く少数精鋭のチームが必要だと訴えました。単なる想いだけでなく、3か年の売上目標や人員計画もしっかりと提示し、ビジネスとしての勝算も示すことで承認を得ることができました。

4.これから深めていくテーマ ― SHABELが向き合う探究領域

―SHABELとして今後さらに追求していきたい領域はありますか?

常谷:私は「ハッシュタグ」の研究を深めたいですね。企業のキャンペーンでよくある、社名が入っただけのハッシュタグではなく、X(旧Twitter)で生活者が思わず乗っかりたくなる「大喜利のお題」のようなワードセンスについて。どうすれば発話が生まれるのか、そのメカニズムを言語化していきたいです。

 

山崎:私は、エンタメコンテンツのコミュニケーションに注目しています。

最近は、映画や音楽配信サービスのプロモーションが、生活者の熱量をうまく生み出していると感じます。業界外の成功事例から学び、それを企業のコミュニケーションにどう取り入れられるかを探求していきたいですね。

5.同じ道を歩む人へのアドバイス - 一歩踏み出す勇気と続ける覚悟

―これから社内で新しい提案をしたいと考えているメンバーへ、ヒントをお願いします。

山崎:「仲間を作ること」ですね。

一人ですべてを完結させて成功できる人はなかなかいません。マテリアルには、相談すれば助けてくれる人がたくさんいます。まずは自分の想いに共感してくれて、実行力のあるキーマンを見つけて、「これやりたいんです」と話してみる。形になっていなくてもいいから、口に出すことが第一歩だと思います。

 

常谷:私からは「迷ったら、一歩踏み出すこと」をお伝えしたいです。

新人の頃、社内公募で博報堂ケトルへの出向募集があった際、「経験が足りないかも」と迷いながらも、挑戦しないまま誰かが選ばれるのは悔しいと思い、思い切って手を挙げました。その経験が、後悔しない選択を自分で作る大切さを教えてくれました。

今回SHABELを立ち上げた時も同じで、「動かなかったら後悔する」と感じたタイミングが、踏み出すサインでした。

そしてマテリアルには、挑戦を否定せず、具体的なアドバイスをくれる人が必ずいます。やりたいことが少しでも芽生えたら、まずは言葉にして、仲間に相談してみる。そこから大きく道が開けると思います。

 

―最後に、同じ課題に向き合う読者へ一言お願いします。

山崎:何かを始めたいと思ったら、一人で抱え込まずに周りを巻き込んでください。助けてくれる仲間は必ずいます。

 

常谷:そして、立ち上げる勢いと同じくらい、「続けること」も大切です。

立ち上げた後にどう継続し、どう利益や価値を生み出していくか。私たちもSHABELをしっかりと継続させ、結果を出し続けていきたいと思っています。皆さんの挑戦も応援しています!

 

 

しゃべるnote:https://note.com/shabelpr

「SHABEL」サービスサイト:https://materialprmenu.jp/shabel

※2025年12月時点の情報です。

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