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2022.December | MEMBER’S VOICE

PRパーソンの頭の中を覗き見る新連載!PRパーソンを生み出した“ベスト3”に迫る。|心を掴まれたCM篇

マテリアルマガジンをご覧の皆さま、こんにちは。マテリアルグループ広報担当の時田です。

マテリアルマガジンでは、元お笑い芸人・クリエティブディレクターの源八さんをファシリテーターに、マテリアルで働くPRパーソンがなぜ「PR」にたどり着いたのかを紐解きながら、PRパーソンの思考を知ってもらうべく、新たな連載『PRパーソンを生み出した“ベスト3”』を始動。

記念すべき第1回目のゲストは、BP2局(ブランドプロデュース局)・マネージャーの伊藤優さんです。今回は、幼少期から忘れられない『心を掴んだCM』を振り返りつつ、PRパーソンになったからこそ見える魅力や、そこから通じるこれからの仕事像について語っていただきました。ぜひお楽しみください!

源八(げんぱち)40歳 男性
元芸人のCMプランナー/クリエイティブディレクター
M-1で準決勝にいったことがあり、ACCシルバーをもらったことがあります。
メガネを買い替えたのに、度が合っていません。

1.企業広報からPRエージェンシーへ

社員にモチベーションのある会社に行きたかった

源八:今回から新たに始まる連載『PRパーソンを生み出した“ベスト3”』。記念すべき第1回目は、BP2局・マネージャー伊藤さんを迎えて、お話伺っていきたいと思います!伊藤さんとは所属部署が異なり、普段はなかなかする機会がないので嬉しいです。さっそくですが、伊藤さんがマテリアルに入社されたのはいつ頃ですか?
 
伊藤:2017年に入社して、今年で6年目になります。入社してから2年間はテレビプロモーターとしてテレビチームに所属したのち、現在のBP局に配属されています。
 
源八:マテリアルに入社される前はどんなお仕事をされていたんですか?
 
伊藤:入社前は、シェアハウスを運営している企業の広報を担当していました。『婚活シェアハウス』などご存知の方もいると思いますが、主に共有スペース・シアタールーム・防音室といったさまざまな設備のある大型施設を運営していました。広報担当として、年間60本以上のテレビ取材の対応をしたり、さまざまな国を対象に6言語対応のウェブサイトを運営したりと、写真・映像・文章でいかに企業やサービスを魅せるのかといったディレクション業務を担当していました。転職を視野に考えるようになった当初は、もう一度事業会社の広報に就けたらと思っていましたが、担当エージェントに「社員にモチベーションのある会社で働きたい」と希望を伝えたところ、「勢いのある会社だからすごく楽しいと思いますよ」とマテリアルを薦めてもらったんです。
 
源八:マテリアルに入社されるまでにそういう背景があったんですね。ではさっそく、そんな伊藤さんを生み出した“ベスト3”に迫っていきたいと思いますが、今回は何の“ベスト3”を紹介しましょうか?
 
伊藤:今回はわたしが『心を掴まれたCM』の“ベスト3”をお話しようと思います!
 
源八:楽しみです!

2.伊藤さんの“心を掴んだCM”ベスト3

広告賞を総なめにするほどの圧倒的な映像美に衝撃を受けた

伊藤:わたしが心を掴まれたCMの第3位は、NTTドコモ『「FOMA」レンアイビト お祝い篇』です。今から15年ほど前のCMで、わたしが高校2年生の頃だったと思います。選んだ理由はすごく単純で、CMに出演されていた黒木メイサさんがあまりに綺麗で印象的だったからです。テレビ通話ができることをメッセージ化したCMですが、『Sixpence None The Richer(シックスペンス・ノン・ザ・リッチャー)』の曲が大好きだったので一生懸命CDを探して、いつも聴いていた記憶がありますね。
 
源八:だから伊藤さんも今のような黒髪ロングヘアなんですか?(笑)
 
伊藤:それはあるかもしれません(笑)長い黒髪の女性が大好きですね。
 
源八:そうなのかなと思っていました。では続いて、第2位をお願いします!
 
伊藤:サントリーホールディングスの『ペプシストロングゼロ 桃太郎テレビCMシリーズ(Episode.ZERO 〜 Episode.5)』です。初めて観たときからこの圧倒的な映像美が衝撃的で、今でもたまに見返すほど好きなCMです。誰もが知る童謡をこれほどカッコよく表現していることに感動しましたね。
 
源八:このCMは当時話題になって、広告賞を総なめにしていましたよね。

短い映像のなかで作り込まれた世界観の虜に

伊藤:PR業界に入社してから、制作側の視点に立って、このCMのどこにこれほど惹かれているのか考えるようになりましたが、キジ・サル・イヌなどの動物を擬人化して表現しただけでなく、登場するすべてのキャラクターをこの世界観に溶け込ませたことでコンテンポラリーを感じさせる表現になっていて、さらに感動してしまいました。また、さいごに出てくるコピーが『自分より強いヤツを倒せ。』なんですよね。『コカ・コーラ』のことを指しているのかなと思いますが、決して相手を貶すわけではなく、自分たちよりも強いことを認めたうえで、それでも挑んでいくんだという企業の思いをきちんと示している姿がカッコいいと思います。
 
源八:短い映像のなかで世界観を作り上げるのは非常に難しいと思います。すでにある空間をどう使うのかではなく、目指す世界観を作るために空間をどう作り上げるのかを考えなくてはいけないので、クリエイター冥利に尽きますよね。そして、『自分より強いヤツを倒せ。』というコピーは、制作されたクリエイター陣にとっても、海外への挑戦という側面もあったのかなと思います。改めてCMを見返すと、音楽も非常にリズム的で、昨今流行っている曲調とはひと味違いますね。
 
伊藤:CMの選曲にあたり、実際に何千という膨大な曲数を聴いて選ばれたらしいです。今はイントロが長い音楽は受け手側が待てないのでなかなか流行らないとも言われていますよね。
 
源八:そうですね。今はイントロを削って自分が心地良いように曲を編集して楽しむ人も多いらしいです。まさに総クリエイター時代だなと思います。それでは、お待ちかねの“ベスト1”へいきましょう!

受動的ではなく、自分の手で幸せになるという強いメッセージに惹かれた

伊藤:わたしの心を掴んだ圧倒的“第1位”は、冠婚葬祭業企業である出雲殿グループ(本社:静岡県)ウェディングCM(疾走篇)です。草原のなかを花嫁が馬に乗って走っているだけのCMですが、高校生の頃に見てから、今の今まで忘れられないCMです。何より、さいごに流れる『世界で一番幸せになってやる』というコピーがすごく好きでした。高校生の頃は直感的に惹かれていた部分もありますが、黒馬に女性が乗って勢いよく走っている映像からも分かる通り、おそらくこのCMは、“白馬に乗った王子様”の真逆を表現しているんですよね。そして、『世界で一番幸せになってやる』というコピーも、「男性に幸せにしてもらう」「誰かに与えてもらう幸せ」のような受動的なものではなく、“自分の手で幸せになる”というメッセージを伝えたかったんだろうと思います。今は世の中的にも女性活躍が大きく謳われていますが、このCMが流れていた当時(2008年)今ほどではなかったはずです。そうした時流のなかで、この力強いメッセージを打ち出していることにグッときますね。
 
源八:当時のCMとしては挑戦が感じられるコピーですね。CMはひとつのメッセージをいかに表現するのかが重要なので、「強く残そう」という確固たる意思を感じるCMだと思います。紹介された3作品を通して感じたのですが、伊藤さん「映像の美しさ」に惹かれることが多いのでしょうか?
 
伊藤:確かに、高校では写真部に所属していたこともあり、視覚的表現やに映像的表現に対する興味が強かったと思います。きっかけは、祖母の家で飼っている犬をどれだけ可愛く撮れるかという小さな出来事でしたが、幼少期から“表現する”ことに触れていたかもしれません。

3.BP局マネージャーとしてのこれから

小さな成功体験をたくさん積み重ねてほしい

源八:これらのCMを選んだ理由なども踏まえて、今の仕事に活きていることや自身の感性に通ずるものはありますか?どの作品も戦略的でメッセージ性の強い作品が多く、“届けたい人に届けたいメッセージを確実に訴求している”印象です。そうしたメッセージを伊藤さん自身がストレートに受け止められている方だからこそ、人への伝え方や線引きなどのコミュニケーションも上手なのではないかと感じました。
 
伊藤:ありがとうございます。コミュニケーションのアウトプットついては、メディアはもちろん代理店関係者や社内に対しても普段から気を付けているところなんです。内容の大小に関わらず、どんな順序や言葉で伝えられると、相手が腑に落ちてくれるのかを常に考えながら伝えるようにしています。
 
源八:今からはマネージャーに昇格されましたよね。伊藤さんがマネージャーを目指してきた部分にも通ずるものはありますか?
 
伊藤:先はリーダーポジションとして小さなチームを見てきましたが、当時から感じていたことは、「もっと教えてあげたいし、もっと助けてあげたいのに、自分のキャパシティも含めてそこまでの権限がないこと」でした。自分のチームメンバー以外に口出しをする権利はないので、もどかしさを感じる場面も多かったように思います。今期からはBP2局のマネージャーとして、網羅的かつ全体に関わることができますし、その分サポートすることもできるので、こうしてマネージャーになれたことがすごく嬉しいです。
 
源八:今後はどういった組織を目指していきたいですか?
 
伊藤:みんなが自主的に助け合える組織になったらいいなと思います。自給自足のようなイメージですね。そのためにまずは、自ら率先していい空気感を作っていきたいです。個人プレーの魅力もありますが、ひとりで進行するには限界がありますし、なかなか視野も広がりません。メンバー皆さんには、「意外とこれ面白いな」「そういう考え方も結構いいな」など多様な価値観を通して小さな成功体験を積み重ねてもらいたいなと思います!
 
 
 

「伊藤さんの目には“本質スキャナー”が搭載されている」

源八:普段些細な会話ほどで仕事ではあまり接点のないメンバーの頭を覗けたようですごくいい時間でした。伊藤さんは15秒CMを「視覚的」なインプットから入り、コピー・音楽・ストーリーを読み解くことができ、自分のフィルターを通して落とし込める方だと感じました。アウトプットの本質を捉える力は今後もマテリアルを引っ張ってくれそうですね。

※2022年12月時点の情報です。

マテリアルグループ広報 時田友里香
マテリアルグループ広報 時田友里香
マテリアル2018年入社の広報担当。好きな食べ物は羊羹。広報業務のほかMATERIAL MAGAZINEの執筆を担当しています。世の中のひとがもっともっとマテリアルグループを知って、好きになってもらえるよう日々勉強中。
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