MATERIAL MAGAZINE

2023.May | MAKE NEW

PRサービスのテクノロジー化とPR業界のさらなる価値向上を目指して。|PRAS参画インタビュー

マテリアルマガジンをご覧の皆様、こんにちは。マテリアルグループ広報担当の時田です。

今回のマテリアルマガジンでは、2022年11月1日よりマテリアルグループへ参画することになったPRAS代表取締役社長・佐藤直樹、コネクテッドマテリアル代表取締役社長・河野貴浩、マテリアルグループ 代表取締役CEO・青﨑曹の三者対談を実施。PRASがグループに参画した背景やその決め手はもちろん、両社が融合することによって生まれる事業シナジーについても語っていただきました。この機会にぜひご一読ください!

1.スタートアップ広報の専門家集団PRASがグループ参画した背景

PRサービスのテクノロジー化を目指して

―PRASの事業内容について簡単に教えてください。
 
佐藤:PRASは、社会をより良く変えるために挑戦しているスタートアップを中心に広報・PR支援をおこなっています。スタートアップの企業広報経験者が多く所属しており、2019年の創業以来、広報・PRアドバイザーとしてのご支援や広報・PR戦略策定、担当者教育、体制構築などスタートアップに寄り添ったPR支援をしております
  
―PRASとマテリアルグループの出会いのきっかけはなんですか?
 
河野:『CLOUD PRESS ROOM(以下「CPR」)』事業を推進するなかで、専門的な広報スキルや経験値のある方に話を聞く機会が多々ありますが、実際にPRASに所属されている方にサポートをいただいたという経緯もあって、PRASのことはもともと知っていました。事業開発を進めるなかで日々痛感していたのは、デジタルが解決できるPR課題もあれば、人材がいるからこそ解決できる課題もあるということ。同じように広報人材を扱っているPRASの佐藤さんとは、ぜひフランクに話してみたいと思ったことがきっかけですね。
 
―初対面の時の印象はいかがでしたか?
 
青﨑:「とにかく佐藤さんを口説こう」が始まりでしたよね(笑)。その後、河野さんが佐藤さんにお会いした後に、「もしかしたら一緒にできるかもしれない」と戻ってきたんです。PRサービスのDX化という観点では、未だ正解にたどり着いていないなかで、河野さんのその様子を見て、「佐藤さんとなら同じ山を登れる」と感じたことが最初の印象でした。
 
佐藤:実は、青﨑さんと河野さんのことは共通の知人を介して知っていたんです。どの方からも「ふたりともめちゃくちゃいい人ですよ!」と言われてましたが、実際におふたりとお会いしてみたら、トークが上手いのはもちろん、物腰も柔らかくて、おふたりとも噂通りの“めちゃくちゃいい人”で安心したことを覚えています(笑)。また、青﨑さんとお会いしてから、各社のキーパーソンの方々を紹介していただきましたが、青﨑さんはとにかく周りの方を褒めるんです。さまざまなリーダー像があると思いますが、パートナーや周りの方々へのリスペクトを非常に感じました。当然、ビジネスとしての厳しさはありつつ、その前向きなスタンスにも惹かれました。

PR業界の価値向上に向けて、ともに実現していく

―今回のグループジョインにはどのような背景がありましたか?
 
佐藤:PRASを経営するなかで常に感じていたことは、「PRパーソンの属人化」です。一定の人材にスキルが依存してしまう分、広報担当者が神経をすり減らしながら推進している場面も非常に多いと思っています。まずは、PRサービスを仕組み化すること、さらに、それらをSaaSに落とし込んでテクノロジー化していくことは創業当時からの構想でもありました。『CPR』事業を筆頭に、手を組みながらPRサービスの開発・展開、さらには導入支援していくことができるとしたら、素晴らしい事業連携になると考えました。
 
河野:PRASが提供されているサービスそのものが非常に腑に落ちたんです。『CPR』としても、同じ頂に登るために頑張っている状況のなかで、互いが別々に山を登り資本勝負することに果たしてどこまでの意味があるのかと疑問に感じた時、できるのであれば佐藤さんと手を組みたいと強く感じました。
 
青﨑:河野さんには、「これほど狭い市場のなかで競う意味はない」というスタンスがありますよね。ともに市場を大きくしていこう、市場の価値を高めていこう、という思いが根底にあるからこそだと思いますが、僕は河野さんのこの考え方をとてもリスペクトしています。
 
佐藤:PRASは『CPR』事業よりも後発かつ規模としても小さいので、大きなグループと組めること自体をポジティブに捉えていました。創業から事業は成長していますが、グループにジョインすることで、PR業界の価値向上につながる=PRASのさらなる成長につながると考え、ジョインを決意しました。

機能やツールだけでは越えられない壁があるなかで、人と企業をつなぐためにできること

―両者は競合にもなり得ると思いますが、そうしたなかでの不安等はありましたか?
 
河野:僕からのラブコールだったので、参画に対する不安は一切ありませんでしたね。PRASは単純にPRパーソンを集めているわけではなく、先鋭のPRパーソンが集結した企業です。『PRECR(プレクル)』の事業を通して、広報人材の採用がいかに難しいのかを日々実感している僕にとって、これだけ多くのスペシャリストを束ねていることの凄さを肌で感じています。また、こうした広報人材の知見をデジタルに変換していかなければ、PR業界の成長は止まってしまいます。そういう意味では、“先鋭のプロ集団がいること”が最も大きな決め手だったかなと思います。
 
―両社が手を組もうと思った決め手はありますか?
 
佐藤:大きな決め手のひとつは、「MAKE NEW PR」への共感です。このビジョンを会社全体で体現しているマテリアルは、PR業界のなかでも最も成長している企業だと認識しています。
 
また、PRASはスタートアップ向きのサービスが基軸ですが、スタートアップ企業もその成長に応じてより大規模なPR活動や予算が必要になってきます。そうなると、PRAS単体での体力では断らざるを得ない場面も増えてきていました。マテリアルは、いわゆる“ナショナルクライアント”と呼ばれるような企業のPR支援もおこなっているので、各社同士のトスアップやテクノロジー化へのチャレンジなどおいても非常に相性が良いと感じましたね。
 
青﨑:自分のなかでM&Aのルールを3つ決めています。ひとつは、事業がスタンドアローン的に成長できるかどうか。ふたつめは、マテリアルが掲げているビジョンに強く共感してもらえるか。さいごは、人としての相性を含めた経営者の人間性です。これらの前提条件は当然クリアしているなかで、PRASはコネクテッドマテリアルのビジョン実現に必要不可欠な存在だと確信できたことが大きいと思います。社名にもある通り、PRの価値を高めること、民主化を推し進めることと合わせて、「情報の結合」にもチャレンジを続けていますが、機能やツールだけではどうしても越えられない壁があることも事実です。優秀なPRパーソンと企業を結ぶという観点も引き続き伸ばしていかなくていけません。PRASが参画してくれることで、どんな企業でもPRというソリューションを平等に使うことのできる世界に、加速度的に向かうことができると考えました。
 
また、マテリアルグループの経営陣は、お互いを信頼し合っているので、河野さんが実現したいことに対して基本的にNOとは言いません。河野さんから、「PRASと一緒になりたい」という話があった時点で、できるかできないかではなく、「どうしたらできるのか」に舵を切っていきましたね。

2.両社が手を組むことで生まれる事業シナジーとは

PRのスキルセットが集結する最大のコミュニティ

―これから生み出していきたい事業シナジーについて教えてください。
 
佐藤:挑戦していきたいことはいくつかありますが、PRASの成長にはマテリアルグループの総合力が欠かせません。まずは、PRASに所属するPRパーソンに加えて、マテリアルグループのPRパーソンも合わさったプラットフォームを作っていきたいと考えています。具体的には、スタートアップは前例のない新しい事業を開発・展開している企業も多いですが、そうした企業をサポートするPRのノウハウを形式知化し、コンサルティング領域にも展開できたらと思います。また、PRサービスの拡張は“PR”だけではなし得ないので、テクノロジーとの掛け算はもちろん、ファイナンスとの掛け算も重要です。PRを中核にしながらも、テクノロジーやファイナンスを掛け算していくことで、サービス開発の拡充はもちろん、これまで以上にPRを必要とする多くの人々に届けていくことができると考えています。
 
河野:佐藤さんのお話と重複しますが、まずは『CPR』事業のなかにPRASの知見を取り込んでいくことからはじめたいと思っています。今のPRASがおこなっているようなメディアリレーションを含めた広報的コミュニケーションは、実はものすごく価値のあるスキルセットなんです。こうした価値のある知見やスキルを学び、共有することのできる場は必ず必要です。今後さまざまな企業のPRを広めていくことを見据えたうえで、最大かつ最もスキルの高いPRコミュニティを作っていかなくてはならないと感じています。そのためにも、誰もが参加したくなるコミュニティの形成を手掛けていきたいですね。

PRパーソンのキャリアの複線化

青﨑:ふたりと異なる観点では、マテリアルグループ社員のキャリアの複線化もおこなっていきたいです。それぞれのライフイベントを経たとしても、場所や時間を問わず、身につけてきたスキルセットを生涯に亘って世の中の役に立てていくことは可能だと思っています。クライアントファーストのメンバーも非常に多いですが、それぞれがPRパーソンとして長く働くことのできる世の中を実現したいですね。

3.さいごに

より多くの人にPRを好きになってもらいたい

―さいごに、読者の皆さまにメッセージをお願いします!
 
佐藤:PRASはスタートアップを応援することと合わせて、メンバーの多様な働き方にも挑戦しています。これからもこうしたカルチャーを活かしながら、PRパーソンのエコシステムになっていきたいですね。より多くの人にPRを好きになっていただきたいですし、これからもずっと好きでいてもらいたい。どんなライフイベントを経てもずっとPRと繋がっていられるようなエコシステムを構築していけたらと思います。
 
河野:佐藤さんをはじめ、PRASの皆さまから学ぶことは非常に多いです。その分、これまでにないPRサービスの形を作っていくことができると思っています。プロフェッショナルの知見を自分自身にも吸収しながら、推進していきます。
 
青﨑:おふたりは、良い意味でまだ全力を出していないと思っています(笑)。グループに参画されて、アップデートすべき課題や業務を進めているなかで、“寝ていても”とまでは言いませんが、自然とシナジーが生まれている状態。今よりもう一段先を目指した際には、想像を大きく越えていくだろうという期待値がとても大きいです。マテリアルグループのクライアント・パートナーの皆さまにも、ぜひ同じ温度感で期待していただきたいなと思います。

※2023年5月時点の情報です。

マテリアルグループ広報 時田友里香

マテリアルグループ広報 時田友里香

マテリアル2018年入社の広報担当。好きな食べ物は羊羹。広報業務のほかMATERIAL MAGAZINEの執筆を担当しています。世の中のひとがもっともっとマテリアルグループを知って、好きになってもらえるよう日々勉強中。