MATERIAL MAGAZINE

2020.May | MAKE NEW

『Withコロナ時代のストーリーテリングを考えるワークショップ』を行いました

マテリアルマガジンをご覧のみなさま、こんにちは。マテリアル広報担当の時田です。

この度マテリアルでは、全国で緊急事態宣言が解除された結果として、今後の社会の在り方が大きく変化することを見据えて、『Withコロナ時代のストーリーテリングを考えるワークショップ』をオンライン上で実施しました。

今回のマガジンでは、本ワークショップでの様子についてご紹介します。

今後のWithコロナ時代において、社会が大きく変化する中で、多くの企業に、新たなコミュニケーション戦略が求められることと思います。マテリアルでは、今後起こりうるであろう企業課題に対して、コミュニケーションの可能性を模索し、新たなソリューションの開発に取り組んでいきます。

今回のマガジンが、より多くの企業のコミュニケーション戦略にとってお役に立てれば幸いです。

1. Under PHASE / With PHASEとは?

■ワークショップ開催の背景

まずはじめに、今回のようなワークショップを開催した大目的は、全社として、各業種業態の緊急事態宣言解除後における、「MAKE NEW シナリオ」を考え、1つでも多くの企業と社会を結ぶことです。マテリアル社員の知識や感性を持ち寄りながら、”12業種で起こりうるであろうカテゴリー課題に対するコミュニケーションの可能性”を模索しました。
 
ワークショップの冒頭では、弊社の執行役員兼ExecutiveStorytellerである関航が、「UNDER COVID-19(緊急事態宣言下 以下「UNDERコロナ」)」の世の中で起こっていること、そして今後訪れる「WITH COVID-19(緊急事態宣言解除後〜完全なる終息宣言まで 以下「WITHコロナ」)」の世の中で起こりうる変化と今後のコミュニケーション戦略の考え方について自論を展開しました。
 
コロナ禍における社会全体の動きは、緊急事態宣言解除の前後で大きく2フェーズに分類することができます。以前は、緊急事態宣言下なので、「UNDERコロナ」のフェーズでしたが、現在では、全面解除された「WITHコロナ」のフェーズです。この「WITH COVID-19」フェーズでは、”これまでの日常生活を取り戻そう”とする動きが起こっていますが、段階的な緩和を前提とするなど、完全にこれまでの日常に戻るまで、かなり長引くことが予測されます。だからこそ、今後のビジネスにおいて、「WITHコロナ」における日常と各業種業態、そしてブランドが社会と手を握るためのシナリオを開発する必要があります。

■今こそ、社会に大きなうねりが生まれるタイミング

さらに、今後のビジネスにおいて、有意義な戦い方をするために重要なことは、「WITH COVID」の情報を集中してインプットし、重要な情報を絞るということです。そしてまさに、このタイミング(WITHコロナ)で、社会に大きなうねりが生まれています。
 
例えば、コロナが問題になってから、Googleで、「生活リズム」という検索ワードが大きく伸びたり、Twitter上では、「疲れた」「うつ(鬱)」といった言葉が極端に伸びています。また、これまでの社会は「平日5日間+休日2日間」のリズムで動いていましたが、コロナ環境下では、このリズムさえも崩れつつありました。
 
長かった自粛期間が終わり、世の中が経済活動を取り戻そうとしている今、”そもそも世の中がどんなテンション”で、”どのように日常を取り戻していくのか”という点に着目することが、「WITHコロナ」の社会で勝ち抜いていく重要なポイントになります。このテンションの移り変わりを整理すると、下記のようになります。特に、「⑥コロナと付き合うための新生活週間の定着」に向けた変化に着目することが重要です。

■「WITHコロナ」PHASEにおいて、企業と社会を結びつけるために

社会にうねりが生まれるタイミングにおいて、ワークショップの目的である各業種業態の緊急事態宣言解除後における、「MAKE NEW シナリオ」を考え、1つでも多くの企業と社会を結ぶ上で、よりバリューのあるソリューションを目指すために思考すべきポイントは、「企業のイシューを把握し、さらにその先にいるコンシューマーのイシューをマッチングさせること」です。

■『WITHコロナ12業種ストーリーテリング白書』Produced by Material

これらの開催目的を踏まえたうえで、今後特に変化が大きそうな業種12種をピックアップ。それぞれの業種ごとにチームを組み、統一されたフォーマットに当てはめてアウトプットを作成することで、最終的に世界にひとつだけの”ストーリーテリング白書”を創り上げていきます。

2.12の業種別にソリューションを考える

さっそく実践方法についてご紹介していきます。ワークショップ当日の実践方法については以下の通りです。

■チーム分け

あらかじめ、1業種につき2〜3名の少人数チームを作成。新卒〜代表取締役まで役職年次に関係なく、それぞれの趣味趣向や得意分野に基づいチーム編成を行いました。

■取り組んだ業種

実際に当日取り組んだ12業種一覧はこちらです。
 
①美容/コスメ
②オーラルケア
③家電
④ホテル・レジャー
⑤外食産業
⑥スポーツ
⑦ゲーム/アプリ
⑧ヘルスケア
⑨お菓子
⑩飲料
⑪地方自治体
⑫出会い系

■フレームワークに基づいて思考

業種ごとのチーム分けが完了したら、各チームにわかれてテレビ電話を繋ぎなおし、以下の共通フレームワークを埋めていく形でディスカッションを行いました。

 

①各業種業態の緊急事態宣言下におけるビジネスの現状把握(ポジティブ要因/ネガティブ要因)

②各業種業態の緊急事態宣言解除後のビジネス課題

③各業種業態の緊急事態宣言解除後の消費者インサイトと結びつくポイント

④各業種業態の緊急事態宣言解除後のチャンス

⑤各業種業態の緊急事態宣言解除後のコミュニケーションアングル

   

3.主催者3名からみた12業種ストーリーテリング白書とは?

■なぜ今回のワークショップを開催しようと思いましたか?

関:緊急事態宣言が解除された後のニューノーマル(新常態)におけるビジネスの在り方を、今後どの業種業態においても模索しなければいけません。特にその初期フェーズでは、「ソーシャルディスタンス」「マスク付き」「電車ピーク問題」「リモートワークと社内ワークの共存」「無観客試合」など、さまざまな制限や、ライフスタイルの在り方が変化した、“うねった社会”と”ブランド”との結びつきを丁寧に紡ぎあげる必要があると思います。その上で、目指したいベクトルとしては、「うねった社会」と「ブランド」そして「経済」が手を握れる状態をサポートしていくことです
 
あらゆる業種業態が社会とポジティブに結びつき、そして経済活動そのものを前向きに回復させていくことが、緊急事態宣言後のマテリアルのストーリーテラーにとって、大きな社会的使命になると思っています。
 
そのために、
①各業種業態の緊急事態宣言下におけるビジネスの現状を把握すること(ポジティブ要因/ネガティブ要因)
②各業種業態の緊急事態宣言解除後のビジネス課題
③各業種業態の緊急事態宣言解除後の消費者インサイトと結びつくポイント
④各業種業態の緊急事態宣言解除後のチャンス
⑤各業種業態の緊急事態宣言解除後のコミュニケーションアングル
 
を全社に呼びかけ整理を行いました。
 
特にニューノーマルな”うねる社会”と”ブランド”の結びつけ方は、普段お世話になっているパートナーのみなさま、そしてマテリアルメンバー含め、既存ノウハウを活かしつつも、スピード感をもって新たな知見を組み上げていなければいけません
 
また、特に意識したポイントは
「①社会の状況を加味した上でのテーマ設定」
「②全社のワークショップにすることで、全体のノウハウとして形式知化すること」
「③情報の整理とディスカッションを行うことで応用がきくようにしたこと」の3つでした。
 
今後は、「このワークショップでアウトプットしたノウハウ自体をアップデートしていくこと」「ニューノーマルな社会と向き合いながら生まれた全社員の思考や経験を、社内でスピーディーにナレッジ化する仕組みをつくること」を意識しながら、より良いストーリーテリングのサポートができる組織を目指していきたいと思います。   

■実際に開催してみて、どうでしたか?

関:まだ誰も答えがわからないニューノーマルな状況を踏まえたプロジェクトを、同時に複数個、全社として走らせているが、トライアンドエラーの回数だけ、さまざまな可能性を見出すことができると思うので、こういった取り組みをこれからもガンガン進めることと、形式値化することを繰り返していきたいと思います。
 
亀山新卒〜社長まで役職・年次に捉われず多くの社員に参加してもらうことができて、一つの課題に対してディスカッションすることができたことが、とても嬉しかったです。また、参加者からは、普段関わりのない部署の人たちとディスカッションでき刺激をもらえた」「新鮮だった」等のコメントをもらいました。また、ワークショップ自体が1hという限られた時間の中で、各チームごとに予想以上のアウトプットを出してくれたことも嬉しかったです。そもそも、リモートワークの中でこのようなディスカッションを行えたことが、会社としてとても大事なのかなって思います。
そして、ひとりのPRマンとして、世の中で起こっている現象をしっかり捕まえること、また、生活者インサイトを深く考えるいいきっかけになったのではと思います。今回のワークショップを通じて、今後クライアントへの向き合い方が変わってくれていたらいいなと思います。
 
近村:今回のワークショップは、リモートでのワークショップという都合上、ワークショップ中に各業種が何を話していたのかという部分は、見える化できなかった部分もありましたが、新卒の子も含めて、かなり意見を出し合ってくれていたんじゃないかと思います。
また、今回の開催の企画にあたって、あの人数でワークショップをするためにはどのような形式、かつ短い時間の中で、どのようなアウトプットを出すことがベストなのかなど、開催前の事前MTGでさまざまな思考を巡らせたことが今回の成功要因の1つになったと思います。とはいえ、何よりも社員の多くが前向きに取り組んでくれた姿勢が何よりも成功に繋がった要因になりました
今後は、メンバーで出し合ったアウトプットを元に、どのように営業展開していけるかなども含めて動いていきながら、単純に頭の体操を行うワークショップとしてではなく実になる形にしていきたいです。

■特に印象に残ったメンバーの発表はありますか?

亀山:「オーラルケアチーム」です。例えば、以下のような課題&インサイト分析がありました。(一部抜粋
 
①緊急事態宣言下では口臭を気にしなくてよかった(人と直接合わない)
②緊急事態宣言下では歯医者に行けない、行きにくかった
③在宅ワークで、ながら食べが増えることにおける口内環境の変化
マスク着用によって、口内環境の変化(口臭の悪化)の可能性
⑤口臭予防、歯周病予防、虫歯予防と同時に、ウイルス対策のためのオーラルケアの必要性
 
コロナ前の日常では生まれることがなかったかもしれない、はっとする、課題&インサイトが見えました。
 
近村:「地方自治体チーム」です。理由としては、地方自治体チームが課題を整理をしていく中で、非常事態宣言解除は「制度上の縛りの開放≠心身ともの縛りの開放」であるという定義づけが印象的でした。
もちろん、全国で緊急事態宣言が解除されたことだけで見たら喜ばしい側面もあると思いますが、だからといって今までのように開放的になるかというとそういうわけではなく心理的な縛りが発生しているのはまさに今の日本社会なのではないかと思います。だからこそ、この心理的な縛りから解き放てるようなメッセージとともに、企画のコアを考えていかなければいけないというのは事実であり、この視点を読み間違えると無風になるどころか企業にとって逆風にすらなりかねないと感じました。

4.さいごに

今回、リモートワークのなかで、全社として初めてこのような取り組みをおこないましたが、総勢40名ものメンバーとともに、今後も活用できる「12業種ストーリーテリング白書」を創り上げることができたと思います。今後も、社会の動きを素早く汲み取り、その時代に合う最適解に対して全社で向き合うことで、みなさまの企業活動を全力でバックアップしていければと考えております。
 
Withコロナ時代のコミュニケーションについて課題を感じている方や、お困りの方は、この機会にぜひマテリアルと一緒に考えてみませんか?企業様からのご相談をお待ちしております。
 
本マガジンに関しての詳細は、「marketing@materialpr.jp」までお問い合わせください。
 
これからの「WITHコロナ」フェーズにおいて、コロナとうまく向き合わなければならない期間は長く続くことが予想されます。このマテリアルマガジンを読んで下さっているみなさまも、引き続きご自愛下さい
 
<終>

※2020年5月時点の情報です。