MATERIAL MAGAZINE

2020.June | MAKE NEW

マテリアルが提唱する「トライブマーケティング」とは?

そもそも「トライブ」とは何なのか

インターネットやソーシャルメディアが普及したことにより、これまでのように”ひとつの大きなテーマ”に対して全員が集まるのではなく、”特定の興味関心や趣味嗜好”に対して共通の価値観を持った人同士が集まり、一定の属性を有する横社会を形成するようになりました。この共通の価値観を持って繋がる小集団を、マテリアルでは「トライブ」と呼んでいます。(「トライブ」はもともと”部族”や”種族”を意味する言葉です。)
 
今までのマーケティング活動では、「F1層(女性20歳〜34歳)」や「M2層(男性35歳〜49歳)」などのように、データに基づいて区分されたターゲットに対して、共通のワンメッセージやビッグアイデアを当てることで、消費活動が促進されてきました。
 
しかし、この「トライブ」形成があちらこちらで行われるようになったことにより、消費者の購買意思決定の在り方や、情報の受け取られ方も大きく変化。例えば、これまで「F1層に該当する20~34歳の女性」をターゲットとして捉えていたとしても、商材が持つ価値によっては、潜在顧客となりうる人が「F1層の女性」に該当しないところにいるかもしれないのが、今の時代の生活者なのです。

トライブマーケティングを行う目的

この変化に適応するため、「トライブ」を活用したマーケティングでは、ターゲット母集団を形成するトライブを言動や思考から分析し、人々の関心が何に向いているのかをひとつひとつ丁寧に発見していくことが求められます。
 
この分析内容に基づいて、
 
①トライブごとに適したコミュニケーションプランを設計・実行し、
②最終的には全ターゲットに対して共通のコアコンセプトを届けること
 
大きくこの2つが、トライブマーケティングの大目的です。
 
ここで注意したいのは、トライブマーケティングは決して「小さな市場」や「ニッチな商材」など、ピンポイントのターゲットを狙うマーケティング手法ではないということです。狙う市場がどれだけ大きかったとしても、ターゲット母集団を形成するトライブのひとつひとつを詳細に分析し、それぞれに適した方法でコミュニケーションを設計することで、トライブが能動的に動き出し、情報が集団の内から外へと広がっていきます。

マテリアルが実践したトライブマーケティング事例

①「BARTH」なんでも相談所キャンペーン

<MISSION>
秋冬のカテゴリー繁忙期の中で、圧倒的に選ばれるポジションを創造する
 
<POINT>
✓BARTHが持つ中核ベネフィットと、秋冬の様々なモーメントや興味とを結びつける、ベネフィットストーリーを設計
✓個々人に合わせたベネフィットストーリーを展開しやすいように「気軽に悩み相談ができる」→「悩みに合わせたベネフィットストーリーを提案」→「自分ゴト化できる使用体験の促進」を設計
✓短期の売上のみならず、中期的なブランドエクイティを意識した、マーケティングの5Aにおける新しいエコシステムストーリーを設計
 
<RESULT>
✓キャンペーンロンチ41分でTwitterトレンド入り
✓キャンペーン期間(3週間)におけるブランドに関連したツイート数は10万件超え
 

②「CRAZY WEDDING」#結婚式に自由を

<MISSION>
従来の結婚式が持つ「不自由」な一面を打破し、自由で多様な結婚式の在り方を世の中に打ち出す
 
<POINT>
✓日本の結婚式には、”暗黙知のしきたり”があり不自由であることに着目
✓11月22日“いい夫婦の日”に「#結婚式に自由を」というハッシュタグキャンペーンを開始。
✓これまで結婚式に対する不満を漏らしていたターゲットに対して、SNS広告出稿を実施し、ハッシュタグを用いて世の中のホンネをさらに発散、集約させた
✓”自由な結婚式の神様”を祀った神社を建立し、リアルイベントでも訴求
 
<RESULT>
✓Yahoo!トピックスやLINE NEWSをはじめとする多数のメディアに掲載され話題化に成功
✓2日間で1万を超えるツイートが寄せられ、結婚式の在り方に対する大きな議論を巻き起こした
 

≫トライブマーケティングについてさらに詳しい解説や実践方法はこちら

※PR GENICの記事に飛びます。
 
『ペルソナ作りからトライブ形成へ。いまトライブマーケティングに取り組むべき2つの理由』では、トライブマーケティングに取り組むべき理由や、企画に落とし込む際のポイントについて、図解を用いながら詳しく解説しています。ご興味のある方はぜひご一読ください。

※2020年6月時点の情報です。