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2024.October | CORPORATE

「Switch to Red.」の実現に向けて、インバウンド支援の知見を活かし、唯一無二のグローバルエージェンシーを目指す。|Candlewick参画記念

マテリアルマガジンをご覧の皆さま、こんにちは。マテリアルグループ広報の時田です。

マテリアルグループは、2023年11月にキャンドルウィック株式会社(以下:Candlewick)をグループに迎えました。参画して約半年が経ち、マテリアルグループ代表取締役CEOの青﨑曹と、キャンドルウィック代表取締役社長のシルベスタ典子、シニアアカウントディレクターを務める石井麻理子による3者対談を実施。

グループジョインを経て見えてきた、両者の事業シナジーやグループ内連携についてお話いただきました。この機会にぜひお楽しみください!

1.海外ブランドの日本進出を支援する、Candlewickの魅力

その国の文化、ブランドの背景や企業ストーリーを理解する

―Candlewickの事業概要について簡単に教えてください。
 
シルベスタ:Candlewickは、海外ブランドが日本市場で成功するためのコミュニケーション支援をおこなうPR会社です。私たちのサポートの多くは、はじめて日本展開を検討している、またはリブランディングや日本市場でのPR強化を目指している組織やブランドです。 
 
国内でロイヤルファンを獲得できるコミュニケーションを構築するためには、ブランド背景や企業ストーリーはもちろん、その国の文化をよく理解することが重要になります。日本のどの市場・ターゲットに向けて、どのようなコミュニケーションをおこなうべきかという議論から支援するほか、ブランド戦略や実際の売り場を提案するなど、領域は多岐にわたっています。
 
Candlewickでは、こうした提案を「売れるPR」とも表現していますが、ブランドメッセージやコンセプトがやんわりと浸透するだけではなく、クライアントの商品やサービスが“実際に売れること”を重視しています。リテール×PRは、重要なサービス柱のひとつです。
 

異なる文化を尊重しながらローカライゼーションをおこなう

―具体的にはどのような支援をおこなっていますか?
 
石井:私たちが支援している先は、大きく2つのカテゴリがあります。ひとつは、政府や観光局、生産者協会のような公益性の高い団体。もうひとつはプライベートブランドです。日本専任の担当者がいないケースも多くあります。 
 
日本起点の視野のみならず、グローバル視点で俯瞰的に必要なソリューションを提案できることが私たちの強みです。言語はあくまでもツールなので、話せるだけでは意味がありません。たとえば、香水をPRする場合も、香りの文化そのものが大きく異なるので、PR活動におけるキーメッセージや想起シーンのチューニングが必要です。自国の文化が外でも通用すると思ってしまうことはどの国にもよくあることですし、こうした文化の掛け違いにこそ、私たちの介在意義があると思っています。実際に他国の価値観・文化に触れてきた経験こそがCandlewickの人材価値だと考えています。
 
シルベスタ:そうですね。日本では、香水をたくさんつける文化がないどころか、香りが強いことでマナー違反と捉えられてしまう場面もありますよね。一方、特に中東地域では、香りを多くまとっていたほうが相手へのおもてなしになる、という考えが根付いています。香水ひとつをとっても、これだけ意識や文化が異なるので、その国の市場・文化・価値観に合わせたコミュニケーションを探る必要があります。
 
石井:自国で成功した事例をそのまま横展開するのではなく、異なる文化や市場環境を尊重しながらローカライゼーションすることが重要です。こうしたコミュニケーション支援を丁寧におこなうことで、日本の生活者に自分ゴトとしてブランドを受け入れてもらいやすくなります。
 
 
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「PR業界をより良くしていきたい」という共通の思い

―初対面時の印象はいかがでしたか?
 
青﨑:PR業界において確固たる地位を築かれてきた大先輩にお会いするわけなので、代表として恥じない振る舞いをしなくてはとプレッシャーを感じていましたが、はじめてお会いした際は、素敵な紅茶でもてなしていただき、オープンマインドにお話することができました。気付いたら、業界に対して感じている課題意識をふくめて自身の胸の内をすっかりさらけ出していて(笑)。まるで魔法にかけられたような時間でしたね。
 
シルベスタ:最初にお会いした時は、清々しい青年実業家という印象を抱きました。Candlewickは全スタッフが女性なので、より広い視野を持つためにも、性別やバックグラウンドを問わず、さまざまな方と働くことができたらと、数年前から考えていました。
 
また、マテリアルグループは経営陣も働くメンバーの方々も若く、大変なことも当然多いと思いますが、力強いチームがこれから築き上げていく未来を一緒に見てみたいと感じましたね。
 
青﨑:ありがとうございます。僕もシルベスタさんも、「PR業界をより良くしていきたい」という共通の想いがあったので、お会いした後も、両社の得意領域やカルチャーをかけ合わせて業界を盛り上げていきませんか、とお伝えし続けていました。
 

2.グループ参画のきっかけと両社の事業シナジー

共感できるビジョンやポリシーがない限り、参画は考えなかった

―参画の決め手は何でしたか?
 
シルベスタ:わたし自身は能力を最大限出し切っている感覚もあったので、長期的な目線で自社を俯瞰した際に、これ以上大きく飛躍することは難しいと考えていました。そのため、手を組む相手を探す必要がありましたが、もちろん誰でも良いわけではない。お金があればいいわけでも、規模が大きければ良いわけでもありません。スタッフとともに懸命に働いて、Candlewickというブランド作り上げ、存在意義を育ててきた会社なので、利益のためだけに参画を決断することは選択肢の中には全くありませんでした。
 
はっきりしていたのは、“共感できるビジョンや経営陣のポリシー”がない限り、グループ入りは考えられなかったということです。
 
青﨑:PR業界やPRパーソンの現在の評価は必ずしも満足のいくものではありません。この現状を打破するためには、一社が単体で頑張るのではなく、みんなで手を取り合って新たなチャレンジをすることに意味があります。そのほうが目標地点に届く時間も早く、距離も短くなるはずです。
 

ブランドへ向き合う姿勢とコミットメント力

―参画して約半年が経ちますが、参画前後で印象の変化はありますか?
 
シルベスタ:マテリアルグループは、若くてエネルギッシュな方が多い印象です。また、新しいことに挑戦する意欲と姿勢を常に感じています。Candlewickは、時間をかけてオーガニックに育ってきた会社なので、業務領域もカルチャーも異なりますが、目指す先は同じだと考えています。
 
青﨑:そうですね。互いに異なる性質なので山の登り方はさまざまですが、目指す先は同じ。互いが融合したうえで、変えること・変えないことを建設的に議論し、関係性を深めることを意識しています。リスペクトを持ち合わせているからこそ、グループ全体に対してもポジティブな影響を起こすことができますし、1年後もより良い変化を起こしてくれることを期待しています。
 
また、Candlewickの皆さんが持つ、ブランドへ向き合う姿勢とコミットメント力には日々感銘を受けています。ブランドにとってのベターではなく“ベストを追求し続けるスタンス”は、見習うべき部分が多く、妥協を許さない、手を抜かないというポリシーが日々のアウトプットにも現れている。Candlewickのプレミアムブランドに対するナレッジの深さとクオリティは唯一無二の価値があります。
 
―実際にグループメンバーとともに案件に取り組むなかで、石井さんが感じていることはありますか?
 
石井:Candlewickは海外出身・海外在住・二拠点生活など、人生経験が豊かな女性たちが活躍しており、独自の視点を持った個性の強い会社です。当初は新しい環境へ飛び込むことへの不安や、Candlewickらしさがどこまで残るのかなどの戸惑いもありましたが、グループの方々からは、私たちに対するリスペクトと期待を日々感じています。
 
お互いに補完関係を築きながら、良い形での協業が進んでいますし、描いていた構想がこの半年間で確信に変わっていった感覚がありますね。
 

ライフスタイル・ライフステージの垣根を超えた働き方を支援

―両社の事業シナジーについて教えてください。
 
シルベスタ:経営面では、グループ内の知見をいただきながら管理部門の強化を図っていきたいと考えています。事業面では主に2軸。ひとつは、Candlewickのお客様に、さらなるテレビリーチやデジタルの拡散力など、マテリアルグループが有する高い専門性を提供していくこと。また、Candlewickのスタッフには、グループの方々との交流や連携を通じてより広い視野を持ち、新たな視点を施策・提案に活かしてほしいと思っています。
 
もうひとつは、多くのリソース投下が求められる大規模案件にも積極的に取り組みながら、PRコンサルティングはもちろん、マテリアルデジタルを絡めたデジタル領域においても幅と深みを持たせた施策をご提案・実施することです。
 
別の観点では、会社のカルチャーづくり・働き方についても、これまでのCandlewickの取り組みを生かした貢献ができればと考えています。 女性がサステナブルに働き続けるために、Candlewickではさまざまな試行錯誤を繰り返しながら現在では結婚・出産・移住など、多様なライフスタイル・ライフステージの垣根を超えたスタッフが活躍している会社になりました。
 
私自身、決して順風満帆なわけではありませんでした。子育てをしながら会社を育ててきましたが、自分のやりたいこと・やるべきことを達成するには、恩師やチーム、家族やパートナーの力を借りる必要がある。これまでの人生を通じて、多くの方の助けを借りてでも達成させることができれば、それは何よりも豊かな人生になるということを実感しています。だからこそ、ひとりの人間が長い人生をかけて働く中で、個人の働き方や会社としてのサポート、フレキシビリティといった多くのノウハウをグループ内に還元できるはずです。また、女性のリーダーがより多く生まれることを心から願っています。
 
青﨑:Candlewickの参画は、当社がグローバルエージェンシーになっていくための重要な一歩です。現在、インバウンド・アウトバウンドの需要は非常に高まっています。
 
Candlewickは海外政府機関や企業と、長年のビジネスを通じて強固な信頼関係を築いていて、インターナショナルマインドを持つスタッフが活躍するなど、グローバル化において欠かせない存在。より良い科学反応を生みながら、日本の産業やブランドが世界中で輝く存在になることで、「Switch to Red.」の実現につながると思っています。
 

3.唯一無二のグローバルエージェンシーを目指して

海外では、PR・マーケティングに求める視座が高い

―海外クライアントとの仕事を通じて、PRに対する評価の違いは感じますか?
 
シルベスタ:案件やパートナーにもよりますが、特に欧米ではサービスに対して対価を支払う用意ができていると感じます。日本ではしばしば、「まとめて安くします」「これもサービスとして一緒にお願いできませんか」など、ホスピタリティの高さゆえに値引きする風潮がありますよね。特にPR活動は、目に見えない働きも多い分、こうした風潮が強まりがちです。その結果、賃金・対価も上がらなくなってしまう。一方、欧米では報酬に対してロジックを組んで提案するため、一人当たりに支払うべき価値が明確で、交渉もスムーズにまとまる印象です。
 
石井:海外では、経営層にCMO(Chief Marketing Officer)が含まれていることが多く、マーケティング活動が企業やブランドのためにいかに重要であるかを理解しています。当然、CMOが在籍しているため、PRに対する理解度が深いと感じます。海外のクライアントは、私たちに求める視座や要求のポイントも高く、明確なリクエストがあるのに対して、日本では、「PRや宣伝に取り組みたいが、何からどのようにはじめたらよいのか分からない」など、漠然としたお悩みをいただくことも多いですね。
 
シルベスタ:Candlewickは、こうした国際基準のレベルに追いつけるよう、クライアントの皆さまに育ててもらいながら成長してきたのかもしれません。
 

インバウンド・アウトバウンド支援の需要はますます高まっている

―海外在住の石井さんの視点で、日本のインバウンド・アウトバウンド需要はどう見えていますか?
 
石井:現在のヨーロッパでは、「今一番行きたい国」として日本を挙げる人が非常に多いです。これまで、日本人気の火付け役は、アニメや漫画が主流でしたが、今ではこうしたサブカルチャーの枠を超えて、日本という国そのものに関心のある人が増えている印象です。日本企業にとって、アウトバウンド進出の絶好の機会でもあると感じます。また、昨今の抹茶ブームに乗じて、独自の抹茶ブランドを立ち上げている欧米人もいるんですよ。
 
シルベスタ:アウトバウンド支援はこれまでのインバウンド支援とは逆向きですが、いかにその国独自の市場に入り込んでいくのか、というローカライゼーションにおける知見は潤沢にあります。日本の素晴らしさを海外に広めていきたいという志を持つスタッフもおりますので、コミュニケーション戦略においても、大きく貢献できるはずです。
 
 

「日本のPR会社がおもしろい!」と世界から思われる唯一無二のPRエージェンシーへ

―最後に、読者の皆さまへメッセージをお願いします!
 
石井:マテリアルグループのバイタリティ溢れるメンバーと、グローバルな視野を持つスタッフの交流をより活性化させ、互いに良い刺激を与え合える機会を増やしていけたら嬉しいですね。加えて、わたし個人としても、スペインと日本を行き来しながら、マネジメントに加わるという新たなステージを迎えていますので、さらなるチャレンジを続けていきたいと思っています!
 
青﨑:グループの海外進出に必要不可欠なCandlewickの参画をきっかけに、本格的な舵切りができる状態になりました。ローカライゼーションの知見を活かすことで、海外進出の実現がより高まっていますので、非常にワクワクしています。
 
シルベスタ:日本は海外と比べてPR後進国とも言われていますが、「日本のPR会社が面白い」と世界から思われるような唯一無二のエージェンシーグループを目指していきたいですね。
 
 
 
〈終〉

※2024年10月時点の情報です。

マテリアルグループ広報 時田友里香
マテリアルグループ広報 時田友里香
マテリアル2018年入社の広報担当。好きな食べ物は羊羹。広報業務のほかMATERIAL MAGAZINEの執筆を担当しています。世の中のひとがもっともっとマテリアルグループを知って、好きになってもらえるよう日々勉強中。
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