【バイトル「高校生アルバイト応援プロジェクト」】
求人情報サービスを提供するは、高校生が自分らしく働くことを応援する「高校生アルバイト応援プロジェクト」を実施。近年、「闇バイト」の若者検挙数が増加し、社会問題になっていることから、「闇バイト」に関する独自調査をおこない、「SNS上の募集情報で、闇バイトの危険性がある内容を見分けられない高校生が約8割もいる」ことを明らかにした。また、高校生に向けたバイトルのプロモーション時期とあわせて、『バイトル高校生出張授業』を東京と大阪で展開。今後、社会との接点が増える高校生に向けて、「働くことの意義」「お仕事探し体験」「闇バイトの危険性」について授業を実施した。
本プロジェクトは東京都を動かすことにもつながり、東京都の特殊詐欺加害防止コンテンツにクイズや調査データが採用されることになった。また、これらの結果が評価され、『2024 64th ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS』PR部門において、ブロンズを受賞。
キャリアや人生も、さまざまな“関係性”のなかで築かれていく
―菅野さんの経歴と主な業務内容について教えてください。
菅野:2021年にマテリアルへ新卒入社し、現在4年目のPRプランナー兼ディレクターとして、クライアントのPR・マーケティング支援をおこなっています。新卒時は、ブランドプロデュース局の中でも広告代理店を主なパートナーとするグループに配属され、PRディレクションを担当していました。その後から現在まで、代理店を経由しない直クライアントグループへ異動となり、PR発想を起点とした統合コミュニケーションや複合案件の策定を担当することも増えてきました。
直クライアントチームに挑戦したい気持ちは1年目の頃からありましたが、想定よりも早くそのチャンスをいただくことができて、狙っていた機会が早く巡ってきた点は非常にありがたいと思っています。
―PR会社を目指したきっかけはなんですか?
菅野:実は、PR会社を目指したきっかけはマテリアル取締役でもある尾上さんの授業を受講したことがきっかけなんです。学生当時は、広告・PR業界に対してざっくりとした印象しかなかったのですが、尾上さんの講義をきっかけに、「一方通行のコミュニケーションではなく双方向のコミュニケーションこそがPRの真髄である」という考えに出会いました。僕にとっては非常に新鮮で衝撃的でしたが、ふと冷静になると、日常の人間関係もそのとおりだと気付いたんです。キャリアはもちろん、さまざまな関係性の中で自身の人生が築かれていきますよね。“ひとりの人生”という括りでは当たり前に受け入れられている一方で、企業やブランド単位になると、意外とこの感覚が抜けてしまうことが多いんですよね。
尾上さんの講義で多くの学びを得えながら、講義アシスタントも担当させてもらう中で、PR業界そのものが、いまだ未開拓業界でもあると感じていました。だからこそ、自分が飛び込む環境としては最高に面白そうだし、未開拓の領域を自分の足で切り拓くことができれば、これからの人生がより充実するはずだと思い、PR業界ひいてはマテリアルへの入社を決めました。
本当に興味のある分野に飛び込むことのできる熱量は人生の財産になる
―PR 業界を目指すうえで、どんな就活期間を過ごしていましたか?当時を振り返ってみて、学びがあればぜひ教えてください。
菅野:就活では、自分の「好きなこと」と「向き不向き」をクリアにする必要があると思っています。僕は、長い時間をかけて好きなことと向き不向きが被る領域を探しました。個人的に、就活ではとにかく自分の過去・現在・未来と向き合い、自己分析することをオススメします。
たとえば、僕の自己分析では、A4ノート3冊分がびっしり埋め尽くされるほど時間をかけて向き合いましたね。「菅野の半生」のようなタイトルで、過去の自分が何に興味を持ったのか、何を評価されてきたのか、また、モチベーションが上がる時や下がる時に起きた出来事は何かなど、ポジネガのどちらも、自身に対する解像度を高めるために深堀りを続けていました。
正直、向いているかどうかが分からない中で、純粋な「やってみたい!」という関心分野に、実際に行動して飛び込むことのできる人は圧倒的に少ないと思うんです。安心・安全を求めて、興味はないけれど向いているだろうと感じる領域を選ぶ場合がほとんどではないでしょうか。そうした中で、本当に興味のあるコトに向かって行動を起こすことのできる熱量は、何にも代えがたい人生の財産になるはずです。
飛び込むべきか悩んでいる就活生がいるとすれば、必ず前向きな未来が拓けると思うので、僕はその背中をまっすぐに押してあげたいですね。大丈夫です、うまくいきます。
クライアントとともに互いの最適解に向かってチャレンジしたプロジェクト
―入社以降、印象に残っている案件やエピソードはありますか?
菅野:冒頭でも紹介していますが、は印象的なプロジェクトです。僕は、所属が営業局なので、全体の進行担当とは別に専属のプランナーをアサインしようかと話があがったのですが、プランニングにも挑戦したいという強い希望をマネージャーに相談したところ、新たなチャレンジという意味も込めて、ディレクター兼プランナーという役割を任せていただくことができました。
このプロジェクトでは、東京・大阪の高校に出向き、出張授業を実施しました。僕はもちろん、クライアントも、教育現場に切り込んだPR施策はこれまで経験したことがなかったため、互いの最適解を何度も議論しながら形にしていきました。各所と模索しながら、クライアントという垣根を超えたコミュニケーションパートナーとして良い関係性を築けたのではないかと感じています。どちらか一方が壁打ちの相談役に徹するわけではなく、マテリアルはPRのサポーターとして、クライアントは事業会社として、それぞれがバイトルというブランドの想いを代弁しながら、互いの意見をうまく合わせたうえでプロジェクトを形にすることができたと思いますし、個人的にも、非常に成長できた案件だったと感じています。
PRは、世の中からのリアクションを身近に感じられる
―案件を担当する中で苦労したことはありますか?
菅野:このプロジェクトを取り巻くステークホルダーが非常に多かった点ですね。今回の施策では、「学校」もひとつの重要指標でしたが、学校としても教育の観点で実現させたい要望がある中で、クライアント・学校・マテリアルという3者のをうまく組み合わせて共存させることが大きな課題でもありました。昨年の10月ごろから準備が始まりましたが、本プロジェクトのようにリードタイムが半年ほどある案件はあまり経験がなかったので、入念な準備を重ねることの重要性も勉強できたと思います。
また、クライアントと前線で対面するディレクターでもありながら、プランナーとしての役目を果たすというプレッシャーがありましたが、尾上さんやプランナーの先輩である近村さんをはじめとした社内外の諸先輩から多くの知見やアドバイスをいただきました。自身が担当するプロジェクトではないとしても、真摯に、そして前のめりに向き合ってくれるメンバーが多いのは、マテリアルの強みだと感じています。
―ディレクター兼プランナーとして働く中で感じる、PRの魅力を教えてください!
高校生の闇バイトへの感度が高まった』『東京都との取り組みにつながる』
―PRにおいてもっとも大切にしている考えやポリシーはありますか?
菅野:常にメディア視点を持ち、そこで得た考えを臆せずにクライアントやパートナーに伝えることです。情報をいかに発信していくのかという点も非常に重要ですが、実際にその情報を発信した際に、メディアや世の中のリアクションが思いどおりになるとは限りません。「ユニークさがない」「想定以上に話題性がない」「実はすこし鮮度が落ちている」など、さまざまな意見があると思います。一見するとクライアントにはお伝えしづらい内容だとしても、自分が代弁しない限りメディアの意見を耳にする機会はあまりないと思うので、メディア視点を進行・企画に活かすことを大切にしています。
こうした視点は、今後、自分がプランナーとして成長してさまざまな領域の企画を手掛けることになっても、自分のひとつのユニークポイントとして、エッセンスを残していければと思っています。「あれ、これって世の中にとって、メディアにとって、どんな意味を持つんだっけ?」という視点はどこまでも大事にしたいですね。
当然、クライアントやブランドに寄り添う思いが何よりも大切なことなので、一緒に良い企画を作り上げられるように模索し、パートナーとして貢献していきたいと思っています。
手を握りたい相手と良い関係性を築くことがPR発想の基本
―菅野さんが考える”PR発想”とはズバリなんでしょうか?
菅野:言語化が難しいのですが、ひとことで表現すると、「握手」だと思っています(笑)。この絵文字は、手を握りたい相手との良好な関係を連想させると思いますが、PR発想はまさしく、本人とその当事者を取り巻く世の中と手を握らせることのできる発想術です。PRは一見すると、効果が見えづらい手法でもありますが、企業やブランドにとって中長期的な効果がかならず見込めるものだと思います。
世の中にまだない仕組みやプロジェクトを生み出していきたい
―PRパーソンとしてこれからの目標を教えてください。
菅野:僕はやはり、「PR発想」が大好きなので、この発想をもとに、世の中にまだない仕組みやプロジェクトを生み出していきたいと思っています。誰かの記憶にしっかり刻まれるようなプロジェクトを手掛けることのできるPRパーソンになりたいですね。
率直にお話すると、実際に理想的なPRが社内やブランドの施策に組み込まれている取り組みは少ないばかりか、むしろレアでもあると感じていて。だからこそ、PRパーソンたちが、まずは“理想的なPRが体現された実例を生み出していくしかない”と考えています。バイトルさんと仕掛けた今回のプロジェクトは、非常に理想に近い形を生み出すことができたと思いますが、こうした事例を一つひとつ積み上げ、さらにそのインパクトを世の中に発信していくことで、「どうやらPR発想を取り入れると良さそうだ」と思ってもらえる状態を作っていきたいですね。
また、PR発想を取り入れたら、「もっと世の中は良くなるのにな」「もっと面白くできるのにな」と心から思っています。それをしっかり実例で体現できるように、これからも日々目の前のことに取り組んでいきたいですね。
企画や施策の上流からPR発想を取り入れることで、企業やブランドが息をする
―さいごに、読者の方にメッセージをお願いします!
菅野:企画や施策の上流からPR発想を取り入れることで、プロジェクトがうまく息をすることが多いと感じます。ぜひ、お気軽にお声がけください!
〈終〉